タイルとは?
タイルは建物の外壁や内壁、床、屋根を覆う建材の一種です。タイルの成形は工場で行い、完成したものを現場に搬入して施工していくのが、一般的なタイル施工の流れです。
外壁タイル工事
外壁タイル工事には、次の2つの工法があります。
乾式タイル工法
下地のベースサイディングボードを通気工法で設置して、その上に接着剤でタイルを貼り付ける工法のことです。通気工法とはサイディングボードと既存外壁に隙間を設ける方法のことです。こうすることで、内部結露を防ぎ、カビなどの発生を抑える効果があります。乾式タイル工法は、タイルが欠落しにくく工期が短いのが特徴です。
湿式タイル工法
従来から用いられている工法です。モルタルで、タイル外壁を貼り付けていく方法になります。デザインのバリエーションが豊富で味のある雰囲気を醸し出すことができます。 職人の技術で仕上がりが変わってくる工法でもあります。
乾式成型と湿式成型
乾式成型は、金型にタイルの材料を充填してプレスして成型する方法のことです。品質が均一になり、タイルが出来るまでの時間も短縮されるため、最近では主流になりつつあります。一方、湿式成型は、押し出し機に材料を入れて、ところてんのように押し出して固める方法です。この方法だと、タイルに水分が多く含有されるため、乾燥して焼き入れまでに時間が掛かります。また形が微妙に揃わないという特徴があります。これは、独特でクラシックな雰囲気が醸し出されるため、湿式成型のタイルのメリットと捉えられることもあります。
タイル検査
耐久性が優れたタイルですが、外壁などに用いられているものは、雨風に晒されているため、内壁タイルと比べて、経年劣化しやすい傾向があります。特につなぎ目はモルタルで接着しているため、ひび割れが起きやすく、その隙間から水分が浸入してくると、建物自体を傷めてしまう恐れがあります。そういった劣化を早めに知り対処するためには、定期的なタイル検査が必要です。
タイルの代表的なトラブル
こちらは、タイルの施工でよくあるトラブル症状です。
白華
エフロレッセンスといい、不溶性の炭酸カルシウムが白い物体となって目地部分に現れる現象のことを言います。 壁面や目地にクラックがあると、そこから水が入り、この現象が起こります。
凍害
目地にヒビが入っているとその隙間から水分が侵入し、その水が凍ることで膨張しタイルが割れてしまうことを凍害といいます。寒い地域でよく起こるトラブルで、外壁タイルだけではなく内装に使っている水回りのタイルでも見られることがあります。
熱破損
熱でタイルが膨張して割れてしまうことです。浴室床でよくみられる現象でこのひび割れのことをクラックといいます。
タイル外壁のリフォーム工事
タイル外壁のリフォームの内容について紹介します。主に、劣化タイルの交換・補修と塗装工程の2つの作業を行う流れです。
タイルの交換
タイルの目地のヒビやタイルの欠落など、劣化の度合いに応じて修繕を行ってきます。タイルの目地が割れて、浮いている箇所を確認したら、特殊な樹脂を注入して埋め固めて行きます。また、タイルが欠落している場合は、新しいタイルと交換することになります。
タイルの塗装
外壁タイル用塗料のシリコン樹脂を塗装して、表面を新築のような美しさに仕上げていきます。塗料を塗る前にまずは、高圧洗浄機で壁の表面に付着した汚れを徹底的に落とします。高圧洗浄機である程度の汚れが落ちたら、今度はクリンストン薬などの薬品を使ってこびりついた汚れをこすって、表面を完全に綺麗にしていきます。表面が綺麗になったら、シリコン樹脂を下塗りと上塗りの2回に分けて塗装していきます。
塗料が乾くと完成です。設置した養生や機材を撤収していき、清掃が終わり次第、点検を行い引き渡しとなります。
内装に使われるタイル
建物の内装にもタイルは使われています。
水回り
キッチンやお風呂場などの水を扱う場所には、陶磁器のタイルが用いられていることが多いです。この素材は、耐火性、防水性に優れていて薬品に対しても強い耐性があります。
リビングや寝室
機能性タイルとも呼ばれる素材が使われていて、湿度を調整して消臭効果がある自然素材が用いられることが多いです。例えば、天然素材の珪藻土を混ぜたタイルは、防臭効果が高く、お部屋の空気を綺麗にしてくれます。
床タイル
床は、滑りにくい表面でなければいけません。水回りの床には特に水はけのよいタイルを使用します。飲食店店舗の厨房には、ウェット清掃向けのタイルか、ドライ清掃向けのタイルかを選んでの施工が可能です。